■White/White
イエスはアルバムをコンスタントに出し続ける所が好きだ。他の大物バンドのように何年も沈黙しない、あまり出来が良くなくても作ったんだからとりあえず出しとこうみたいな。
またバンドが休止してる時でも常にそれぞれ何か出している。というわけでイエスメンのソロ作品はだいたい全部聴いてる(リック・ウェイクマン以外)。
で、これはイエスで最も地味な男アラン・ホワイトのなんとドラマー人生40年にして初のリーダーバンド、その名も「ホワイト」だ。
ジェフリー・ダウンズが参加しているので基本的にエイジアを彷彿させる歌モノだがセッション色が強くラフな仕上がり。一応ドラムの音がデカく録れているし、メンバーのソロパートも間奏やアウトロにやたらふんだんに入っている。
リーダーが優柔不断なことを思わせる本作は紛れも無くアラン・ホワイトのリーダーバンドである。まあ作ったんだからとりあえず出しとこうみたいな。
■Syndestructible/Syn
こちらはイエスに加入する前のクリス・スクワイアがやっていた60'sビートバンド、Synの40年ぶり再結成アルバム。
20才の頃にやってたバンドを60才になってからまたやるってどういう感じなんだろう。松崎澄夫と水谷公生がアウトキャストを再結成するようなものだろうか。
結論からいうとこのアルバムは大当りで、ボーカルのくぐもった声により、ジェネシスの「Calling All Stations」みたいに昔のブリティッシュ・ロックのダークな感覚を今に伝えている。
1曲10分くらいの曲が5曲ほど入っている。
ギターとキーボードの美しいアンサンブルから、イエスだとジョン・アンダーソンが生身の人間っぽくない人なので表現しなかった過剰にドラマチックな曲展開を見せ、ラストはインプロヴィゼイションの乱れうちで締める展開。
伊藤政則だったら
「失われたブリティッシュ・ロックの誇り(プライド)を取り戻すために賢者たちが60's(ヴァルハラ)から蘇った!!」とか帯に書くだろう。
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